ギャンブルが主題のおすすめ演劇

俳優が舞台上で演じる演劇。人生の現実や人々の生き方が表現されています。優れた劇作家は、劇中のシーンをよりリアルに見せるため、様々な主題を取り上げてきました。ギャンブルを題材にすると、舞台上で様々な感情を描き出すことができます。ギャンブルのゲームは興奮やアクションを楽しめますが、劇ではそこからギャンブルの暗くて汚い世界も暴き出します。

演劇は観客にとって有益な教訓を与えてくれます。このため、優れた劇作家たちはギャンブルを主題として活用しつつ、その汚い真実からも目を背けないのです。ギャンブルでは、人は自分の幸運を信じるものです。最後に何も残らないとしても、幸運を望んで賭ける選択をして、懸命に努力するのです。

ギャンブルが題材として含まれる良い演劇を見たことがありますか?次の2つの有名な作品は、人生について多くのことを教えてくれる特に素晴らしい作品です。

  •         『ハウス・オブ・ゲームズ』は、元は1987年にデイビッド・マメット監督による映画です。劇作家のリチャード・ビーンが舞台化し、英国ロンドンのアルメイダ劇場で上演されました。物語の主要人物は、マーガレット、マイク、ビルの3人で、癖のある性格をうまく設定しています。満たされない心を抱える精神科医のマーガレット。人生とはチャンスを掴むことであり、既にやってしまったことを後悔しても仕方がない…。行動して後で後悔したとしても、何も行動しないよりは賭けに出た方がずっといい。充実感を得られる人生を送りましょう。間違ったことをしてしまっても、自分を許し、二度と同じことを繰り返さなければ良いのです…。

  •         『おかしな二人』は、脚本家ニール・サイモンのコメディーとしてのひねりがよく効いた作品です。1965年にブロードウェイで初演された後、1968年に映画化され、1970年代にはテレビシリーズとして成功しました。物語は、神経質なニュースライターのフェリックス・アンガーが、妻に追い出されて、スポーツライターの友人オスカー・マディソンと同居することになるというものです。性格の違う友人でありパートナーですが、一緒にいるとうまくいく関係。そうした不思議な関係を描いているため、タイトルが『おかしな二人』となりました。相性と友情を主題としつつ、ポーカーをする場面や、そこでの二人の珍妙な駆け引きなどが面白おかしく描かれています。

時には、生まれながらにして人間にはギャンブルに惹かれる性質があることに気づかない人もいます。私たちは、多くの選択肢の中から選び取って人生を形作っていきます。リスクを取って、運に身を任せざるを得ないことも多くあります。結局のところ、ルーレットがいつ当たるかわからないのと同様、数日後に何が起こるかなんて誰にも分からないのですから…。私たちは、舞台上で賭けをしている俳優と大して変わらないのかも知れません。